「折り鶴に出会った子どもたち」の発刊のお知らせ
タイトル 折り鶴に出あった子どもたち
平和を祈るエッセイ１００編
出版社 三省堂
定価 １８００円（税別）
発売日 ２００３年８月６日※
※ 奥付（書籍に印刷されている発売日）は８月６日ですが、出版業界の通例として事前に流通が開始されます。７月２９日に一部大手書店、３０日には主要な書店で発売開始です。

折り鶴がつなぐメッセージ

禎子さんの死をきっかけに、彼女の同級生が平和の像を作ろうと呼びかけたこと。その呼びかけに全国の大勢の子どもたちが応じたこと。このエピソードをモンゴルに伝えた日本の留学生。歌にしたモンゴルの音楽家。この歌を愛し歌い継いだモンゴルの国民。日本でＣＤとして発売していただいたレコード会社の方。教科書の題材に取り上げていただいた出版社の方。また、これらひとつひとつのことが実現するために関わった本当に大勢の方がた…。こうした時間と空間を隔てた多くの人間の思いが現在の日本の中学生、高校生年代の子どもたちとつながって、今回のエッセイ集ができあがったのです。このことが何より素晴らしいことだと思います。

わたしは、このエッセイ集の刊行にいたるまでの経験に、大きな河の流れのようなものを感じずにはいられません。そして、わたしもその流れの一翼を担うことができたことを本当に嬉しく思っています。

発刊にあたってオユンナがよせたメッセージ（本書より抜粋）
　平成１５年８月６日（広島平和記念日）に三省堂より「折り鶴に出会った子どもたち」が発刊せれます。

　この本の発刊への経緯は、モンゴルの歌手オユンナが歌いつづけている「ヒロシマの折鶴」に端を発します。オユンナは１９９０年のデビューの後、１９９３年に６枚目のＣＤとして「ヒロシマの折鶴（発売当時は「ヒロシマの少女の折鶴」）」を発表。この歌はモンゴルの愛唱歌であり、広島の原爆でなくなった佐々木禎子さん（「原爆の子の像」のモデル）を歌ったものです。オユンナはこの歌を日本で発表して以来、禎子さんのメッセージとあわせて、コンサートでは必ず歌いつづけてきました。

　こうしたオユンナの音楽活動に共感した三省堂が、２００２年に中学校英語教科書の題材に、禎子さんのエピソードとこの歌を採用。そして学校の授業で禎子さんのメッセージやオユンナの音楽活動を知った子どもたちから、オユンナ及び三省堂にたくさんの激励の感想文が寄せられました。
こうした経緯から、オユンナの音楽活動、広島や長崎の原爆、平和をテーマに全国の中学生・高校生を対象にエッセイを募集し、その中から優秀な１００編を選んだエッセイ集の発刊という企画が生まれたのです。

　広島、長崎の悲劇が歴史の中に埋没されようとしている今。また世界平和にむけて、あらたな構想を模索している今。本書の発刊は、オユンナの音楽活動の一つの成果であるとともに、この嫌な緊張感につつまれている世界に対する若者の魂の叫び声の集大成です。

　モンゴルからやって来た一人の歌手の地道で確かな音楽活動に共感した日本の若者の偽りのない思いを集めたエッセイ集が、今日の社会へ投げかけるメッセージの意義は大きいと思います。

　本書には１００編のエッセイと、オユンナの歌う３曲の歌を収録したＣＤが付録されていま。この３曲は「ヒロシマの折鶴」のモンゴル語と英語。そして、music39.comで同様に平和をテーマに公募し、約５００編の中からグランプリとして選ばれた歌詞にオユンナが曲をつけた新曲『風の色』が収録されています。

　この１冊が一人でも多くの方の手元に届くこと、そして、８月６日、９日にこのエッセイを読み、歌を聞き、あらためて戦争と平和について一考していただけたらと願ってやみません。
スタッフ一同